リニア中央新幹線

リニアモーターカーで東京〜大阪間を約1時間で結ぶ計画があるそうな。
「これで南アルプスへもすぐにいけていいや」
なんて思ってはいけません。
いま問題になっているのはその線路を敷くルート。

A 長野県茅野、伊那、飯田を通り南アルプスを迂回
B Aのさらに北西を回り、茅野、木曽福島岐阜県中津川を通る
C 南アルプスを貫通

今日の新聞を見てみるとCが有力だという。
南アルプス貫通。


いま高尾山は圏央道建設で貫通されている。
中央道で高尾山の横を通り、ものものしい重機を目にするたび暗い気持ちになる。
トンネルを掘ることで地中を流れる水の通り道に影響が出て、生態系が壊れるんじゃないかと危惧されている。
南アルプスが貫通されたら、そのうえに広がる自然にどれだけ影響がでるだろうか。

それ以外に問題はたくさんある。
周辺の自治体は、地域振興のために中間駅設置の誘致を行っているけれど、JR東海はその自治体へ数百億円の設置費を求めている。
地域振興どころの話ではない。
最終的には自治体が重い負担を強いられることになると。

リニアモーターカーは膨大な電力を消費する乗り物である。
ドイツではリニア方式の鉄道が計画されていたが、建設費が高い、需要がない、地球温暖化を促すなどの理由で計画が中止されている。

そもそもこの計画は約30年前のもの。
当時から世界も日本もずいぶん変わった。
もうなにもかも十分じゃないか。

一体全体、どこへ向かおうとしているのか?


甲斐駒ケ岳からみた南アルプス