仕事納め

アメリカの西海岸生まれのバックパックブランド「Gregory」は、日本にたったひとりだけリペア職人を抱えている。
そのリペアルームは、エイアンドエフ本店の2階にあり、日本人唯一のオフィシャル「Gregory」リペアマンであるダイゴさんが日本中から集まってきた「Gregory」のパックに再び命を吹きかけているのだ。

全国の旅人、登山家、アウトドアマンから届けられたボロボロの「Gregory」を見ているとなんだかいまにもココではないどこかへ行きたい気持ちになってくる。



パックに縫いつけられた国旗のエンブレム。
ボトムにこびりついた土。
岩に何度も引っ掛けられてできたいくつもの傷。



こいつらは、どこを旅してきたのだろう?

このリペアルームには、全国から届けられた旅がぎっしり詰まっている。



ダイゴさんの今年の仕事納めは、僕のパリセードくん。

ボトムの部分に小さく穴があき、バックルとの連結部分が引裂かれたので、昔「Gregory」の大型パックで使われていた厚い生地に張り替えてもらった。
ちょっと重くなったけれど、頑丈になったし、ダイゴさんの手が入った世界にひとつだけのパックになった。

なんでも、この大掛かりなボトムまるごと交換修理は、ぼくのほか、ホーボージュンさんだけなのだとか。
「もりやまー、マネしやがったな」って、ケツ蹴られるんだろうなあ。



ダイゴさんは、「Gregory」だけでなくエイアンドエフで取り扱う洋服からテントまでなんでも修理する男なのです。


「また旅でボロボロになったコイツに会える日を楽しみだ。またいつでも持ってきやがれ」
てなことを、ダイゴさんはやさしくつぶやくのでした。
ダイゴさん、ありがとうございました!!