動物になる前に

5泊6日の北アルプス縦走へ行ってきた。
エイ出版「フィールドライフ」秋号の取材。
原稿書きはモデルのユキちゃんにまかせて今回はコーディネイト&ボッカ役。
重量30キロオーバーのザックは、北欧遠征前にいいトレーニングになったぞ。

いつもそうなんだけど、5日目くらいになるとようやく体が山に慣れてくる。
山の空気感にちょうど慣れた頃に山旅も終わり。
もうちょっと歩きたかったなあ。

山の中を長期間歩き続けると獣に近づける。
体から放たれる体臭も肌の色も筋肉のもりあがりも野生動物みたいになる。

それが心地いい。

上高地から槍ヶ岳に登り、西鎌尾根を経て、双六小屋、三俣山荘。
黒部源流部で水浴びをして、日本最後の秘境雲ノ平へ。







チタンの洗面器がぼくらの胃を満たす鍋。


黒部川源流部から見えた槍ヶ岳
右は三俣山荘。


これが雲ノ平の全貌。


雲ノ平のテン場。

ずっと行きたかった雲ノ平。
なんだか落ち着かない不思議な空間だった。

今回のベスト登山道は、双六小屋と三俣山荘の間の巻き道。
花が咲いて、槍が見えて、小さな沢がいくつも流れて・・・。
ここは楽園かと思いましたね。


去年のいまごろはラップランドで足を引きづりながら荒野をノソノソ歩いていたっけな。

北欧遠征の出発が決まった。
9月1日発、フランクフルト経由のストックホルム行き。
今回の行程は約350キロ。
名のついたトレイルではないので、踏み跡があるかどうか。
360度山に囲まれた荒野に投げ出されたときのあの開放感。
そして、ときどき押し寄せる恐怖。
やめられません。