すまん、青年!

東京にも秋がじわじわとやってきています。
窓を開けると虫の声と一緒にひんやりした空気が部屋に流れ込んできます。
いい季節だなあ〜、なんていい気分になって横になると真夜中、そんな風と一緒に若者の声が。
我が家は杉並区内の住宅街にあるのですが、ときどき隣の駐車場で近所に住む高校生もしくは大学生の話し声が深夜に聞こえてくるのです。
仕事帰りに飲んでかえってくると彼らが駐車場で話していたので僕はついつい言っちゃいました。
「おまえら、うるさいんだよ。ヨソでやってくれないかな?」
彼らは反抗する態度もしめさずに
「はい。すいません」
と言って、暗闇の中へ消えていきました。

なんだかそのとき僕は罪悪感を感じたのです。
10代のときはたしかにいろいろなモヤモヤをみんな抱えていきています。
そんな鬱憤を発散するには、飲んで、友達と話し込むのがひとつの解決法。いや現実逃避方法。
田舎に住んでいた僕は、信濃川の河川敷に友達と行けば、深夜までワイワイ語りながら、モヤモヤを解消できたわけです。
誰にも迷惑をかけずに、友達と深夜まで騒げる場所が田舎にはある。
そりゃあ楽しかった。
しかし、東京に住む若者はどこにいっても「うるさい!」と怒鳴られ、夜、友達同士で語り合う場もないんだと思うと妙に暗い気持ちになったわけです。
今晩は怒ってすまない、若者よ。